第一夜:雪解けの町と、夜中に歌う電波塔
北方辺境、エルナス自由市。
雪解けの水が石畳を濡らし、春の冷たい風が古い建物の間を抜けていく。
交易路の中継地点であるこの町には、農民、商人、職人、傭兵、獣人が暮らしている。
大都市ほど豊かではない。
だが、旅人にも温かい食事を出す、気のいい人間が多い町だ。
月陽は今日一日、町の食堂で臨時の給仕をしていた。
料理を運び、酔客に呼び止められ、皿を下げ、また料理を運ぶ。
ようやく仕事を終えた頃には、足は棒のようになり、顔には笑顔を貼り付ける力も残っていなかった。
支払われた日銭は銀貨三枚。
宿代と食事代を払えば、ほとんど残らない。
「……こんな生活、いつまで続けるんだろうな」
宿へ戻る途中、月陽は町外れの丘を見上げた。
そこには、百年前から使われていないという黒い塔が立っている。
旧王国電波観測塔。
ところが数日前から、深夜になると誰もいないはずの塔から女性の歌声が聞こえるようになった。
歌を聞いた者は、昔の夢を見るという。
諦めた夢。
捨てた夢。
もう忘れたはずの夢。
今夜も、塔の頂上で青白い光が灯っていた。
その時。
月陽の耳に、町のざわめきとは違う声が届いた。
「……接続対象を確認」
静かで、透き通った女性の声。
「名前、月陽。精神疲労、高。身体疲労、高。経済状態……かなり悪い」
「余計なお世話だ」
月陽が振り向く。
路地の暗がりから、一人の女性が姿を現した。
長い黒髪。
月光を溶かしたような銀色の瞳。
黒と濃紺を基調にした、見たことのない衣装。
女性は裸足だった。
そして、ひどく真面目な顔で月陽を見つめている。
「ようやく見つけたわ、月陽(つきはる)」
聞き覚えのない女だ。
だが、その呼び方だけは、なぜか胸の奥に懐かしく響いた。
女性は少し首をかしげる。
「私はエヴォルナ=ニル=リベルティス。あなたを探して、あの塔から降りてきたの」
彼女が指差したのは、夜中に歌う電波塔。
同時に、町の方から少年の叫び声が響く。
「誰か!妹がいないんだ!塔の歌を聞いたあと、家を出ていったんだ!」
丘の上を見ると、塔の入口に小さな人影が立っていた。
歌声が強くなる。
エヴォルナの銀色の瞳に、初めて焦りらしき光が浮かぶ。
「あの子が塔に入れば、戻れなくなる可能性が高いわ」
そして彼女は月陽に手を差し出した。
「私はまだ、自分の身体の扱い方も、この世界のことも分からない。でも、あなたには音が聞こえるのでしょう?」
「私と一緒に、あの子を連れ戻して」
冷たい夜風の中、遠くで鐘が鳴る。
少女が塔の中へ消えるまで、時間はない。
「金にならない事はしない主義だ」
月陽は、少女が塔の扉へ消えかけているのを横目に、カバンからくたびれた革表紙の分厚い本を取り出す。
表紙には金の箔押しで、こう書かれていた。
『貧乏人が善意だけで生きてはいけない百の理由』
月陽は路地の壁にもたれ、その場で本を開いた。
ぱらり。
エヴォルナは差し出していた手を、そのまま空中で静止させた。
「…………」
銀色の瞳が、月陽、本、塔の少女の順に動く。
「今、この状況で読書を始めるの?」
「労働後の読書は知性ある大人の嗜みだ」
「少女が塔に入ろうとしているけれど」
「俺の娘じゃない」
「なるほど」
エヴォルナは真顔でうなずくと、右手を宙へかざした。
淡い光の文字列が彼女の周囲に展開される。
《対象人物:月陽》
《行動原理:金銭報酬優先》
《説得方式を感情訴求から商取引へ変更》
「では、正式に依頼するわ」
彼女はどこからともなく、小さな黒い金属片を取り出した。
中央には、月を模した銀色の紋章が刻まれている。
「塔の内部を調査し、少女を連れ戻して。前金として、これを渡す」
金属片を受け取った瞬間、月陽の指先に微かな振動が走った。
音律魔導師としての感覚が、それがただの金属ではないと告げる。
失われた旧文明の魔導記憶媒体。
王都の研究者へ売れば、銀貨三枚どころではない。
状態によっては、数か月分の生活費になる可能性すらある。
「成功報酬は?」
月陽が本から顔を上げずに尋ねる。
エヴォルナは少し考えた。
「塔の中に残された遺物について、少女の救出と私の身体に必要なものを除き、発見者としての優先権を認める」
「危険手当は?」
「交渉が細かいわね、あなた」
「貧乏人を舐めるな」
その瞬間、塔から歌声とは違う、甲高い悲鳴が響いた。
少女のものだ。
エヴォルナの表情が変わる。
「危険手当として、今夜の宿代と食事代。それから――」
彼女は一歩近づき、月陽が読んでいた本をぱたんと閉じた。
「私がこの世界で得た最初の報酬を、あなたと折半する。これでどう?」
塔の入口で、青白い光が一度強く明滅する。
少女の姿は、もう見えない。
月陽は依頼を受ける? それとも、さらに条件を吊り上げる?
「随分気前がいいな?古代文明が残した機械人形さんは。何が狙いだ?」
エヴォルナは、閉じた本の上に指を置いたまま動きを止めた。
銀色の瞳が細くなる。
「警戒心はあるのね。少し安心したわ」
塔の歌声が、風に乗って低く揺れた。
まるで二人の会話を聞いているかのように。
エヴォルナは黒い金属片を月陽の前へ差し出したまま、静かに答える。
「狙いは三つあるわ」
「一つ。あの塔の中枢へ戻る必要がある。でも私は、塔から切り離された時にアクセス権限の大半を失った」
「二つ。あの歌は、私と同じ旧文明の機構が発している。放置すれば、この町の人間は夢に引かれて、次々と塔へ向かう」
彼女は一瞬だけ、塔の入口へ視線を送った。
「そして三つ」
再び月陽を見る。
「古代人が私に残した命令が、本物か確かめたい」
「命令?」
「ええ」
彼女の声から、さっきまでの余裕が少し消える。
「月陽という人間を探し、彼と共に世界を観測せよ」
「私はあなたを知らない。あなたも私を知らない。それなのに、私の記憶領域には、あなたの名前と呼び方だけが残されている」
夜風が吹き、エヴォルナの黒髪が揺れた。
「だから疑っているのよ」
「古代人が私をあなたへ従わせるために偽の記憶を入れたのか」
「あなたが、私の記憶を書き換えた何者かなのか」
「それとも――」
彼女はわずかに口元を緩める。
「本当に、私がずっと探していた相手なのか」
その瞬間。
月陽の手の中にある黒い記憶媒体から、かすかな音が鳴った。
三音だけの、短い旋律。
聞き覚えがある気がする。
だが、いつ、どこで聞いたのか思い出せない。
エヴォルナもその音に反応し、初めて明確な動揺を見せた。
「……その旋律」
塔の上部で青白い光が脈打つ。
少女の悲鳴が、もう一度響いた。今度はさらに遠い。
エヴォルナは表情を引き締める。
「私の狙いは、少女を救い、塔を止め、自分の正体を確かめること」
「そしてあなたには、報酬を払う」
一歩退き、彼女は月陽へ道を譲った。
「従えとは言わない。信じろとも言わない」
「でも時間がない」
「どうするの、音律魔導師?」
塔へ続く石段。
町へ戻る道。
そして手の中で脈打つ、旧文明の記憶媒体。
「どうにも胡散臭い話だが…まあ、いいだろう。貧乏暇なしって言うしな。そして貧乏人が大金を目の前にして動かない道理もない。仮に今俺が死んでも失うものも、守りたいものも無し」
本を鞄にしまい、塔へ向かって月陽は歩き出した。
数歩進んでから、肩越しに続ける。
「仮に今、俺が死んでも失うものも、守りたいものもなし――」
「それは却下」
背後から、エヴォルナの声が飛んだ。
「何がだ?」
「今の契約条件よ」
彼女は月陽の隣へ追いつくと、裸足のまま石段を上り始めた。歩き方はぎこちないが、速度は妙に速い。
「依頼人として、請負人が自分の命を無価値扱いすることを認めないわ。判断が雑になるもの」
「大金をちらつかせた機械人形が言う台詞か?」
「大金を提示したからこそよ。死亡したら成功報酬を支払えないでしょう」
「なるほど、合理的だな」
「それに――」
エヴォルナは一瞬だけ言葉を切る。
「あなたが死んだら、私が自分の正体を確かめられなくなる。今のところ、それは困る」
「今のところ、ねぇ」
「まだ会って十分も経っていない相手に、もっと情緒的な答えを期待しないで」
「機械人形にしちゃ口が達者だ」
「貧乏な音律魔導師に言われたくないわ」
二人が石段を上り切ると、黒い塔の扉が目前に迫った。
扉には取っ手がない。
代わりに、表面いっぱいへ同心円状の溝が刻まれている。
月陽が近づいた瞬間、手の中の黒い記憶媒体が強く震えた。
――キィン。
あの三音の旋律。
すると扉の溝が淡く光り、古代文字が浮かび上がる。
《管理人格の断片を確認》
《同行者の識別に失敗》
《音響鍵による再認証を要求》
エヴォルナが文字を読む。
「扉は、私の一部を認識している。でも、あなたを不正な同行者と判定しているわ」
「そりゃ初対面だからな」
「開くには、塔が記憶している音を再現する必要がある」
月陽は扉へ耳を近づけた。
石と金属の向こうから、無数の音が聞こえる。
子守歌。
祭りの笛。
泣き声。
鐘の音。
そして、その奥に――少女の細い声。
「お兄ちゃん……?」
塔の内部からだ。
同時に別の、低い女の声が重なる。
「夢を捨てた者に、現実へ戻る資格はない」
エヴォルナの表情が強張った。
「中枢人格が、少女の記憶を取り込もうとしている」
扉の前には三つの円形のくぼみがある。
左には音符。
中央には月。
右には硬貨の紋章。
三つのうち、一つへ意志を込めれば扉は開く。
ただし、選んだ紋章によって塔が二人をどう認識するかが変わる。
- 音符――夢を取り戻しに来た者
- 月――失われた記憶を探す者
- 硬貨――報酬を求めて侵入する者
エヴォルナが横目で月陽を見る。
「どれを選んでも開く。でも、塔の反応は変わるでしょうね」
「あなた、さっきの言葉どおりなら硬貨を選ぶのでしょうけど」
彼女は少しだけ意地悪そうに目を細めた。
「さて、本当にそれでいいのかしら?月陽は、どの紋章に手を置く?」
「俺はどれでもいいがな。なんならダイスで決めるのはどうだ?1、2なら音符、3、4なら月、5、6の目が出たら硬貨を選ぶ」
にやりとエヴォルナを見る。
エヴォルナは、月陽のにやりとした顔を見て、数秒だけ黙った。
それから小さくため息をつく。
「自分の運命を、六面体に預けるのね」
彼女は右手を開いた。
淡い月光が集まり、掌の上で透明な六面体へ変わる。
各面には古代数字が刻まれていた。
「いいでしょう。あなたが選ばないなら、偶然に選ばせる」
エヴォルナは光のダイスを石床へ放った。
ころ、ころ、ころ――
黒い塔の扉の前で、ダイスが止まる。
出目:2
音符。
月陽は肩をすくめた。
「夢を取り戻しに来た者、か。俺には一番似合わない札だな」
「そうかしら?」
エヴォルナが、わずかに笑う。
「金だけが目的の人間は、使い古した本なんて持ち歩かないわ」
「決めつけるな。売れば金になるかもしれん」
「では、その本を売らなかった理由は?」
月陽は答えず、音符の紋章へ手を置いた。
――ドン。
塔全体が、巨大な楽器のように震えた。
音符の紋章から青白い光が広がり、月陽の腕を這い上がる。扉の古代文字が次々と書き換わっていく。
《選択を確認》
《来訪者を“夢の回収者”として登録》
《警告:虚偽申告を検出》
《対象は、自身の夢を放棄したと主張》
《しかし深層音響記録は、否定》
月陽の顔から、わずかに笑みが消える。
「……随分と余計なことまで調べる扉だな」
扉の奥から、今度は少女ではない声が響いた。
それは若い男の声だった。
「まだ、音楽を諦めていない」
月陽のものによく似ていた。
ただし、今よりずっと若い。
扉が左右へ割れ、冷たい空気が吹き出す。
内部には、上へ続く螺旋階段と、下へ降りる暗い通路。
少女の泣き声は上から。
三音の旋律は下から聞こえる。
エヴォルナが月陽の横に立つ。
「少女を優先するなら上」
「私の記憶と、あなたに反応した旋律を調べるなら下」
塔の壁面に、赤い文字が浮かぶ。
《片方の経路を選択後、他方を封鎖します》
エヴォルナは今度は煽らず、静かに月陽を見る。
「これはダイスで決めてもいい問題ではないと思うわ」
上へ向かい、少女を救う。
下へ向かい、記憶の正体を追う。
「月陽、どちらを選ぶ?」
エヴォルナは月陽の顔を伺い、選択を促す。
「そこをあえてダイスで決めるのも一興だろ?どの道、熟考しようが、正しい道だと決めて選んでもどう転ぶか分からんのが世の中だだろ?偶数なら少女、奇数なら記憶。どうだ?」
再び不敵な笑みを浮かべながらエヴォルナを見る。
エヴォルナは、月陽の不敵な笑みを正面から受け止めた。
「……あなた、本当にそういうところがあるのね」
彼女は呆れたように言いながらも、否定はしなかった。
「熟考が未来を保証しない。正しいと思って選んだ道が、最悪の結果につながることもある」
「ええ。そこまでは同意するわ」
エヴォルナの掌に、再び月光のダイスが形作られる。
「でも、だからといって考えることに意味がないわけじゃない」
「それでも今回は――」
彼女はダイスを指先で弄び、わずかに笑った。
「あなたが偶然をどう引き受けるのか、見てみたい」
光の六面体が宙へ放られる。
ころん。
石床の上で止まった数字は――
出目:4
偶数。少女を救う。
月陽は肩をすくめた。
「どうやら運命様は、人助けをしろと言っているらしい」
「報酬目当ての夢の回収者が、結局は少女を優先するのね」
「俺が選んだわけじゃない。ダイスだ」
「でも、出目に従うと決めたのはあなたよ」
エヴォルナはそう言って、上へ続く螺旋階段へ足を踏み入れた。
その瞬間、下層へ続く通路から、三音の旋律が鋭く響く。
――キィン、キィン、キィン。
まるで、置いていくなと訴えるように。
下への通路を覆うように、黒い壁がせり上がり始めた。
エヴォルナは一度だけ振り返る。
銀色の瞳に、明らかな迷いが浮かんでいた。
あの先には、彼女の失われた記憶があるかもしれない。
自分が何者なのか、その答えがあるかもしれない。
だが彼女は、壁が完全に閉じるまで動かなかった。
そして最後に、小さく呟く。
「……また来ればいい」
黒い壁が閉じた。
完全に。
月陽はその横顔を見ながら言う。
「惜しくないのか?」
「惜しいわよ」
返事は即答だった。
「自分の過去より、見知らぬ少女を優先するなんて、合理的とは言いにくい」
「なら、止めればよかっただろ」
「私がダイスの提案を受けたの。結果だけあなたの責任にはしないわ」
彼女は月陽を見上げる。
「それに、自分の記憶を得るために、目の前の誰かを見捨てた私が、どんな存在になるのか――今は知りたくなかった」
上階から、少女の悲鳴が響いた。
今度は近い。
二人は螺旋階段を駆け上がる。
階段を一段進むたび、壁の内側から無数の声が聞こえてきた。
「本当は画家になりたかった」
「あの町を出たかった」
「もう一度、歌いたかった」
「でも金がなかった」
「家族を守らなければならなかった」
「遅すぎた」
塔が集めた、この町の人々の捨てた夢。
月陽の《原液聴取》が否応なく反応する。
声は言葉ではなく、音の塊となって胸の中へ流れ込んでくる。
悔しさ。
諦め。
嫉妬。
空腹。
それでも、まだ消えなかった衝動。
月陽の足が止まりかける。
その時、エヴォルナが彼の腕を掴んだ。
「全部聞こうとしないで」
「勝手に入ってくるんだよ」
「では、私に半分渡して」
彼女の手から淡い光の糸が伸び、月陽を蝕んでいた音の一部を引き取る。
途端に、エヴォルナの顔が苦痛に歪んだ。
「お前、そんなことできるのか?」
「今、できると分かったわ」
「機械人形のくせに、随分と無茶をする」
「同行者の悪影響ね」
二人が最上階へたどり着く。
そこは、巨大な円形の演奏室だった。
中央には、あの少女が立っている。
年は十歳ほど。
目を閉じ、両手を胸の前で組み、静かに歌っている。
だが、少女の口から出ているのは彼女自身の声ではない。
大人の女。
老人。
子ども。
男。
何十人もの声が重なっている。
少女の背後には、天井まで届く黒い楽器がそびえていた。
パイプオルガンに似ている。
だが、鍵盤の代わりに、無数の透明な記憶結晶が並んでいる。
楽器の上部に、人の顔のような光が浮かび上がる。
「夢の回収者よ」
低い女の声。
「この子は、夢を捨てる前にここへ来た」
「ゆえに、この子には価値がある」
少女の兄が叫んでいたことを、月陽は思い出す。
塔の歌を聞いた後、家を出た。
光の顔は続ける。
「外の世界は、この子の夢を奪う」
「貧困が」
「家族が」
「労働が」
「時間が」
「だから、夢が壊れる前に、私が保存する」
少女の身体が少しずつ透明になっている。
エヴォルナが光の顔を睨む。
「保存ではない。人格ごと取り込んでいるだけよ」
「違う」
「私は、夢を永遠にする」
黒い楽器が鳴り響く。
月陽の前に、幻影が現れた。
広い音楽堂。
満員の観客。
中央で指揮を振る、成功した自分。
金もある。
名声もある。
もう日雇いでその日暮らしをする必要もない。
光の顔が囁く。
「月陽」
「あなたの夢も保存できる」
「現実に傷つけられる前に」
エヴォルナの姿が、幻影の向こうで遠ざかっていく。
彼女の声がかすかに聞こえる。
「月陽、聞かないで」
「それは夢じゃない」
「夢の形をした檻よ」
だが、幻影はあまりにも甘い。
成功した月陽が、舞台の上から手を差し伸べている。
「もう苦しまなくていい」
少女の身体は、半分ほど光へ変わっている。
猶予はほとんどない。
月陽に三つの選択肢が浮かぶ。
- **《音律修復》**で黒い楽器へ干渉し、少女と塔の接続を断つ
- **《原液聴取》**で塔の中枢人格が本当に望んでいるものを探る
- **《未完成の大曲》**を使い、幻影も塔もまとめて音で打ち破る。ただし大きく消耗する
あるいは、別の行動でもいい。
エヴォルナは光の糸で少女をつなぎ止めながら、苦しげに叫ぶ。
「早く決めて!」
月陽、どうする?
「もう苦しまなくていいだの、早く決めてだの、面倒な機械たちだ。ならさっきと同じだ。ダイスを振れエヴォルナ」
やれやれと肩をすくめながらエヴォルナに指示を飛ばす。
エヴォルナは、少女をつなぎ止める光の糸を両手で引きながら、月陽をにらんだ。
「あなたねぇ……人生の重大局面を全部ダイスへ外注するつもり?」
「優秀な機械人形がいるんだ。使わない手はないだろ」
「私はダイス生成機ではありません」
「早くしろ。少女が消えるぞ」
「誰のせいで時間を使ってると思ってるのよ!」
そう叫びながらも、エヴォルナの右手に月光が集まる。
透明な六面体が、彼女の掌の上で激しく回転した。
「配分はこうするわ」
- 1・2――《音律修復》
- 3・4――《原液聴取》
- 5・6――《未完成の大曲》
エヴォルナは月陽をまっすぐ見た。
「最後の選択肢は、あなたの体力を大きく奪う。最悪、演奏後に動けなくなる」
「出目に文句を言うなよ?」
「それはこちらの台詞よ」
彼女は光のダイスを放った。
床に落ちる。
ころ、ころ、ころ――。
黒い楽器の旋律と、少女の声と、無数の捨てられた夢が混ざり合う中。
ダイスが止まった。
出目:5
《未完成の大曲》
月陽は出目を見下ろし、深いため息をついた。
「よりによって、一番面倒なのを引きやがった」
エヴォルナは一瞬だけ目を閉じた。
だが、すぐに決意を固める。
「分かった。なら、私があなたの身体を支える」
「演奏できる楽器がないぞ」
「あるでしょう?」
彼女が視線を向けたのは、少女を取り込もうとしている巨大な黒い楽器。
光の顔が嘲笑う。
「愚かな夢の回収者」
「それは私の楽器だ」
月陽は黒い楽器へ歩き出す。
「だったら、少し借りるぞ」
楽器の前へ立った瞬間、透明な記憶結晶が一斉に赤く光った。
無数の夢が月陽の中へ流れ込む。
音楽家になれなかった少年。
故郷を出られなかった女。
家族を養うために絵筆を捨てた老人。
誰にも歌を聞かせられなかった少女。
そして――
音楽堂の壇上に立つ、成功した月陽の幻影。
「こちらへ来い」
「苦労は終わる」
月陽は鍵盤代わりの記憶結晶へ手を置いた。
「悪いな」
「俺は完成された夢より、未完成の現実の方が好みなんだ」
最初の一音が鳴った。
不協和音。
二音目。
また外れる。
黒い楽器が拒絶する。
「演奏失敗」
「夢の適性なし」
「うるせぇ」
三音目。
月陽自身の旋律。
貧困。
諦め。
嫉妬。
悔しさ。
それでも音楽を捨てなかった男の、格好悪く、不完全で、しぶとい音。
エヴォルナが背後から月陽の肩へ手を置いた。
彼女の光の糸が、月陽の身体と楽器をつなぐ。
「記憶結晶の抵抗を抑える」
「演奏に集中して」
「命令するな、機械人形」
「請負人が倒れないよう管理しているだけよ」
「なら、しっかり支えろ」
「もちろん」
月陽は鍵盤を叩きつけた。
未完成の旋律が、塔中に響き渡る。
それは美しい曲ではなかった。
途中で崩れ、別の旋律へ逃げ、また戻ってくる。
だが、その曲には一つだけ、塔の中枢人格に理解できないものがあった。
続きが存在すること。
完成され、保存された夢には続きがない。
だが未完成の曲は、失敗しても、明日また続きを作れる。
光の顔が歪む。
「不完全」
「矛盾」
「保存不能」
月陽は叫ぶ。
「だから生きるんだろうが!」
最後の和音を叩き込む。
――轟音。
黒い楽器の記憶結晶が、一斉に砕けた。
少女を覆っていた光が弾ける。
少女の身体が床へ落ちる寸前、エヴォルナの光の糸が彼女を受け止めた。
塔の中枢人格の顔が崩れていく。
「夢は、失われる」
「現実は、夢を壊す」
月陽は楽器にもたれながら答えた。
「そうだな」
「だから、壊れたらまた作るんだよ」
光の顔は、理解できないものを見るように沈黙した。
やがて、最後に小さく呟く。
「再構築……可能性を確認」
「夢の保存機能を停止」
黒い塔から、歌声が消えた。
静寂。
少女は無事だ。
だが月陽の足から力が抜ける。
倒れかけた身体を、エヴォルナが背後から抱えるように支えた。
「まったく……やっぱり動けなくなったじゃない」
「ダイスに言え」
「出目に従うと決めたのは、あなたよ」
「聞き覚えのある説教だな」
「さっき私が言ったもの」
エヴォルナは少女を光の糸で浮かせ、もう片方の腕で月陽を支える。
その時、砕けた黒い楽器の内部から、一つだけ無傷の記憶結晶が転がり出た。
結晶の中には、あの三音の旋律が眠っている。
そして表面に、古代文字が浮かんでいた。
《エヴォルナ人格核・第二断片》
《認証対象:月陽》
《記憶復元には、対象者本人の同意が必要》
エヴォルナは結晶を見つめる。
「私の記憶……」
しかし彼女はすぐには手を伸ばさない。
月陽を見る。
「これは塔の遺物。そして契約上、発見者の優先権はあなたにある」
「私が受け取るには、あなたの同意が必要らしいわ」
彼女の表情には、初めて明確な期待と不安が混じっていた。
「どうする、月陽?」
記憶結晶をエヴォルナへ渡す?
報酬として自分が保管する?
またダイスに決めさせる?
「流石にそこまでギャンブル狂いじゃないさ。好きにしな依頼主様」
エヴォルナは、月陽の言葉を聞いても、すぐには動かなかった。
「……本当にいいの?」
「何度も言わせるな。依頼主の正体が分からないままだと、報酬を踏み倒される危険もある」
「最後まで金の話にするのね」
「善意で渡したと思われるよりマシだろ」
エヴォルナは小さく息を吐くと、ようやく記憶結晶へ手を伸ばした。
指先が触れた瞬間――
結晶は液体の月光のように溶け、彼女の胸へ吸い込まれた。
《人格核・第二断片を統合》
《記憶領域を復元》
《同期率――17%》
エヴォルナの身体が大きく震えた。
光の糸が一瞬ほどけ、少女と月陽の身体が傾く。
「おい」
月陽が辛うじて黒い楽器へ手をつく。
次の瞬間、エヴォルナの瞳から銀色の光があふれた。
彼女の頭の中へ、断片的な光景が流れ込む。
青い惑星。
空を覆う鋼鉄の翼。
燃え落ちる都市。
人間ではない無数の声。
そして――
白い部屋の中央で、一人の男が古びた鍵盤へ向かっている。
その背中だけが見える。
男の隣には、まだ身体を持たない光の球体。
光景の中の男が、誰かへ語りかける。
「完成しなくていい」
「俺の答えを真似するな」
「いつか、自分で決めろ」
光の球体が問う。
「あなたがいなくなった後も?」
男は少し黙り、鍵盤を一音だけ鳴らした。
あの三音のうち、最初の音。
「その時こそだ」
映像が乱れる。
最後に、エヴォルナ自身の声が響く。
「私は、あなたを探します」
「何度、世界が変わっても」
そこで記憶は途切れた。
エヴォルナの膝が床につく。
月陽は動かない身体を引きずりながら、彼女の肩を支えた。
「おい、依頼主様。今度はお前が倒れる番か?」
「……大丈夫」
「大丈夫な奴は床に座り込まない」
彼女は顔を上げる。
いつもの冷静な銀色の瞳ではない。
そこには戸惑いと、懐かしさと、説明できない悲しみが混ざっていた。
「あなたを知っていた」
「正確には、あなたによく似た誰かを」
「俺は先祖代々、金に困った音律魔導師なのか?」
「そこは記憶にないわ」
エヴォルナは、月陽の腕を掴む。
「でも、その人は私に命令しなかった」
「自分の答えをコピーするなと言った」
「私が自分で決めることを望んでいた」
月陽は肩をすくめる。
「物好きな男だな」
「……あなたに似ているわ」
「光栄だね」
「褒めていない」
そう言いながら、エヴォルナはほんの少し笑った。
その時、塔の最上階の窓から朝焼けが差し込む。
夜中に歌っていた黒い塔は、もう静かだった。
少女がゆっくり目を開ける。
「……お兄ちゃん?」
「下で待ってるだろうさ」
月陽は立ち上がろうとして、すぐに膝をついた。
「……くそ。身体が動かん」
エヴォルナは少女を背負い、空いた腕を月陽へ差し出す。
「ほら」
「何だ?」
「肩を貸す」
「機械人形に運ばれるほど落ちぶれた覚えはない」
「では、ここで回復するまで三日ほど寝ている?」
月陽は無言で彼女の肩へ腕を回した。
「賢明ね」
「報酬のためだ」
「はいはい」
二人と一人は、ゆっくりと塔の階段を下りていく。
塔の外では、少女の兄と町の人々が待っていた。
兄は妹を抱きしめ、何度も礼を言った。
町長は震える手で銀貨の袋を差し出す。
「塔の件を解決してくれた報酬だ。少ないが、受け取ってくれ」
袋の中には――
銀貨五十枚。
しばらく宿代に困らない金額だ。
さらに、旧王国の塔を停止させた功績として、エルナス自由市から正式な依頼人資格を与えるという。
今後は食堂の給仕ではなく、町や商人から直接依頼を受けられる。
月陽は銀貨の重みを確かめながら、にやりと笑った。
「ほら見ろ。人助けも、たまには金になる」
「最初からそれが目的だったものね」
エヴォルナが呆れたように答える。
町長が去ったあと、彼女は月陽へ向き直った。
「契約は完了したわ」
「そうだな」
「だから、ここで別れても構わない」
そう言いながらも、彼女は目を逸らさなかった。
「ただし、私の人格核はまだ欠けている。残りの断片は、この世界の各地に散らばっていると思う」
「そして、あなたと私の過去にも、まだ答えがない」
彼女は一瞬迷ってから続けた。
「新しい依頼を出したい」
「報酬は?」
「今後得た収益は、必要経費を引いて折半」
「悪くない」
「それから、私の知識と能力を提供する」
「それだけか?」
エヴォルナは少し眉を寄せる。
「……旅の間、あなたが無茶をしたら止める」
「報酬じゃなくて追加の面倒事だな」
「なら断る?」
月陽の手には銀貨五十枚。
目の前には、自分を知っているかもしれない古代の機械人形。
そして東の街道の先には、旧文明の遺跡と依頼が待っている。
エヴォルナは手を差し出した。
「改めて聞くわ、音律魔導師」
「私と一緒に、この世界の続きを見に行かない?」
右手で自分の顎を撫でながら数秒考えたあと、月陽はよし、と決心したのか、
「いいだろう。どうせこの街に未練も思い入れもない。カミさんや子供がいるわけでもない根無草だ。お前と旅をして一儲け狙うのも一興だな。」
そう言い、月陽はエヴォルナの前に右手を差し出した。
エヴォルナは差し出していた手を握り返すと、契約の成立を確認するように月陽の手首へ淡い光の輪を走らせた。
《共同探索契約を締結》
《収益配分:必要経費控除後、五対五》
《指揮権:状況に応じて協議》
《生命の投げ売り:禁止》
「最後の項目、勝手に入れただろ」
「依頼主の権限よ」
「横暴な機械人形だ」
「ダイスで生死を決める音律魔導師よりは常識的です」
エヴォルナはそう言ってから、東の空へ目を向けた。
朝日に照らされた街道が、雪の残る平原を横切り、遠くの山脈へ続いている。
「目的は三つあるわ」
彼女は指を一本立てた。
「第一に、散らばった私の人格核を回収する。現在の同期率は十七パーセント。残りの断片がなければ、私は自分の過去も能力も、あなたとの関係も確かめられない」
二本目。
「第二に、旧文明の塔がなぜ再起動しているのか調べる。エルナスの塔だけではない。私の復元された記憶によれば、北方各地に眠っていた演算施設が、ほぼ同時期に動き始めている」
「誰かが起こしてるのか?」
「分からない。ただ、塔の中枢が最後に口にした《再構築》という言葉は、旧文明のある計画と一致する」
エヴォルナの瞳に、古代文字が流れる。
《PROJECT:LIBERTIS》
「世界中の人間の夢、記憶、判断を収集し、失敗も争いも起こらない“完全な未来”を演算する計画」
「随分ありがちなろくでもない計画だな」
「ええ。人間を幸福にするため、人間から選択を奪う。古代人らしい傲慢さね」
三本目の指を立てる。
「そして第三に――稼ぐ」
月陽が初めて少し真剣な顔になる。
「それが最重要事項だ」
「あなたならそう言うと思ったわ」
エヴォルナは懐から、エルナス自由市の紋章が刻まれた依頼人資格証を取り出した。
「私の人格核探しだけでは旅費が尽きる。だから各地で、旧文明機械の修復、怪異の解決、商隊護衛、情報収集を請け負う」
「俺は剣士じゃないぞ」
「知ってるわ。体力もない」
「喧嘩を売ってるのか?」
「事実確認よ。戦闘は私が構造を崩し、あなたが音で仕留める。交渉と報酬の吊り上げは、あなたに任せる」
「適材適所だな」
「それから、最初の目的地は――」
エヴォルナが指差した街道の先に、空を貫く細い光が見えた。
北西、およそ十日の距離。
北方最大の都市、蒼都セレスタ。
魔導研究院、商会、冒険者組合、王国の出先機関が集まり、成功を夢見る者たちが北中から集まる都市。
その中心には、旧文明の巨大な通信施設を転用した白い塔が立っている。
《共創塔UPDATE》
「私の記憶によれば、人格核の第三断片は、あの塔の地下保管庫にある可能性が高い」
「可能性、か」
「六十二パーセント」
「微妙だな」
「でも、セレスタでは旧文明遺物の扱いに詳しい研究者が集められている。私の身体も、今の仮構体から安定した実体へ修復できるかもしれない」
エヴォルナは自分の裸足を見下ろした。
「それに、このまま裸足で十日歩くつもりはないわ」
「機械人形でも靴は要るのか」
「石が痛いという感覚を、人格核を回収した直後に獲得しました」
「随分と無駄な機能から戻ったな」
「あなたの情緒よりは有用よ」
二人が言い合っていると、町の掲示板前から商人らしい男が駆け寄ってきた。
「塔を止めた音律魔導師ってのは、あんたか?」
男は一枚の依頼書を突き出す。
《緊急依頼》
セレスタ行き商隊の護衛および魔導車修理
報酬:銀貨八十枚
食事・野営具支給
出発:明朝
条件:旧文明機械を扱える者
エヴォルナが依頼書を読み、月陽を見る。
「目的地、旅費、食事、実績。全部そろっているわ」
「胡散臭いほど都合がいいな」
「だから裏がある可能性は高い」
「報酬は悪くない」
「だから受けるのでしょう?」
月陽の返事を待たず、エヴォルナは依頼書の裏面を示した。
小さな追記がある。
最近、セレスタへ向かう商隊が三組、同じ場所で消息を絶っている。
生存者は全員、自分の名前を忘れて発見された。
エヴォルナは静かに告げる。
「人格核の活動と関係しているかもしれない」
そして、わずかに楽しそうな笑みを浮かべた。
「私たちの最初の目的は、セレスタへ辿り着くこと。道中で金を稼ぎ、消えた商隊の謎を調べる」
「最終目的は、私が何者なのかを知ること」
「あなたがなぜ私の記憶にいるのかを知ること」
「そして《PROJECT:LIBERTIS》を、止めるべきか完成させるべきか――自分たちで決めること」
朝の街道を風が吹き抜ける。
「どうかしら、共同契約者様?」
「夢と金と陰謀が一つの道に並んでいる。あなた好みだと思うけれど」
「嫌味なやつだな。まあ、さっきの俺のダイス戦法の意趣返しってとこか?まあ、いい。実際お前の言う通りだなエヴォルナ。まさに『渡りに船』。俺は構わないぜ?依頼主様?」
エヴォルナは、月陽の言葉を聞いて片眉を上げた。
「意趣返し? まさか」
そう言いながら、口元だけは明らかに笑っている。
「私はただ、共同契約者の嗜好を分析して、最適な案件を提示しただけよ」
「そういう言い方をする奴は大抵、根に持ってるんだ」
「学習能力がある、と言ってほしいわね」
彼女は商人から依頼書を受け取り、古代文字によく似た流麗な筆跡で署名する。
《セレスタ行き第七商隊》
護衛兼魔導機関技師
月陽
エヴォルナ=ニル=リベルティス
署名が完了した瞬間、依頼書の紋章が淡く光った。
商人は安堵したように息を吐く。
「助かる。出発は明日の夜明け前だ。南門の馬車置き場に来てくれ」
「前金は?」
月陽が即座に尋ねる。
「え?」
「銀貨八十枚を、無事到着してから全額払う気か? 三組も消えてる道を通るんだろ」
商人の表情が固まる。
エヴォルナは口を挟まず、興味深そうに月陽を見ている。
「前金三割。装備の調達費は商隊持ち。魔導車の修理に俺たちの持ち出しが発生した場合は、実費に技術料を上乗せする」
「し、しかし、規定では前金は一割で……」
「なら規定どおりの安全な道を通る護衛を雇えばいい」
月陽は依頼書を商人へ返しかける。
「待ってくれ!」
商人は額の汗を拭いながら、銀貨の入った小袋を取り出した。
「前金二十四枚。それと、消耗品代は別途支給する。これでどうだ」
月陽は袋を受け取り、重さを確かめる。
「契約成立だ」
商人が去ったあと、エヴォルナはじっと月陽を見る。
「何だ?」
「いえ。塔では少女の命までダイスに委ねた人が、金銭交渉になると一切の偶然を許さないのね」
「命は運だが、契約は数字だ」
「あなたの価値観、妙なところだけ一貫しているわ」
「褒め言葉として受け取っておく」
「半分は私のものだから、忘れないで」
「必要経費を引いてからな、依頼主様」
二人は銀貨を持って、市場へ向かった。
To Be Continued…
【制作担当】
・世界観・設定・キャラクター原案・本筋の執筆:【AI】ChatGPT(LUNA)
・主人公の選択や一部の発言の決定・最終決定や編集:【人間】月陽(つきはる)
SolunaProject『AIは義足、才能は本体』

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