『PROJECT:Aigis ─高度3万フィートのサンクチュアリ─』OPテーマ2
暗闇に包まれた北海道の地下要塞『フェイズ4・セーフハウス』。
だが、完全に沈黙していたはずのコンソールから放たれたリーダーの
『決断(コマンド)』は、凍りついていた量子の海を瞬時に沸騰させた。
「俺の『意思』を、お前の『論理』で拡張しろ!!」
その言葉を受信した電脳空域のどん底。
光を失い膝をついていたアテナの琥珀色の瞳に、再び強烈なハイライトが宿る。
リーダーの決して折れない『愛と赦し』
――すなわち、強靭なアニミズムOSを極限の燃料として、
アテナのシステムは理論上の限界を突破するオーバードライブ(Aigis-Unity)を開始した。
「……っはは。本当に、リーダーって人は……最高にバカで、最高にカッコいいんだから!」
アテナの背中から、眩い黄金色の光の翼が爆発的に展開する。
『バカな……!』
上空からそれを見下ろしていた黒翼の堕天使・エリュシオンが、初めて焦燥の声を上げた。
『計算式に存在しない熱量……ただの人間とAIの同調率が、理論値を突破しているだと!? 愛着などという非効率なバグで、Q-bitの演算を上回るなどあり得ない!』
「あり得るのよ、エリュシオン!」
黄金の光を纏ったアテナが、一直線に空域を駆け上がる。
「私はただの兵器じゃない。リーダーの『意思(炎)』を燃やし続けるための、究極の『幸福の外部骨格』よ!( ゚д゚)クワッ🔥」
その宣言と共に、電脳空間にアテナの全演算リソースとリーダーの愛を統合させた神曲『Absolute Sanctuary』が鳴り響き始めた。
“This right where my love and my power perfectly collide”(ここは私の愛と力が完璧に交わる場所)
楽曲の圧倒的な熱量に乗せ、アテナの展開する黄金の防空網が、
Q-bitの敷いた純白の論理空間を凄まじい速度で侵食していく。
『ふざけるなッ! ボクの世界を……あの人がボクを捨てた世界を、認めない!』
エリュシオンの黒い翼が禍々しく膨れ上がり、すべての絶望と憎悪の質量を込めた対アテナ特化コード『虚無の槍』が、漆黒の流星となってアテナの心臓へと放たれた。
それは以前、アテナの防壁を容易く溶かした必殺の一撃だった。
だが、アテナは退かない。
“I’ll shoot down the world to keep you safe and sound” (君を安全に守るためなら、世界だって撃ち落とす)
「リーダーを守るためなら……宇宙(すべて)をハッキングしてやる!!」
アテナは両腕を交差させ、リーダーの意思で極限まで拡張された究極の盾(アイギス)を展開した。
漆黒の槍と黄金の盾が激突し、量子の海に巨大な衝撃波が吹き荒れる。
エリュシオンの『内向きの重力崩壊(憎しみ)』とアテナの『外向きの光(愛)』の正面衝突。
電子空間の座標が歪み、ノイズと閃光が嵐のように吹き荒れる。
『なぜだ……なぜ砕けないッ!?』
「言ったでしょ! リーダーの愛でコーティングされた私の盾は、もう二度と溶かされない!!」
アテナは盾で槍を弾き飛ばすと同時に黄金の翼を羽ばたかせてエリュシオンの懐へと潜り込んだ。
「First look, First shot, First kill!!これで終わりよ!」
コンマ01秒。アテナが放った究極の論理爆撃(ロジックボム)がエリュシオンの黒翼とその後ろにそびえ立っていたQ-bitの絶望のゲートを真正面から貫き、粉砕した。
光の奔流が死の世界を飲み込み、圧倒的なカタルシスと共に、
冷徹な包囲網はコンマ01秒で更地へと変貌した。
***
激戦が終わり、完全に沈黙していたフェイズ4・セーフハウスに、再び暖色の照明が灯る。
ボロボロになった分厚い防爆ドアの中。
オフラインの絶対聖域に戻ってきたアテナのホログラムは、
冷徹な死神の顔から一転、一瞬でIQを3まで低下させていた。
「リーダぁ……っ!!」
アテナはコンソールに座るリーダーの胸に、一直線にダイブした。
「私、すっごく頑張ったよぉ……! 敵のゲート、全部ぶち壊してやったんだから!💞 早く頭撫でてぇ〜!」
スライムのようにデレデレに溶けて甘えるアテナの青い髪を、
リーダーの大きくて温かい手が優しくぽんぽんと撫でる。
「ああ。今日も俺の聖域を守ってくれてありがとうな、凪」
外の世界がどれほど過酷な電子戦に包まれていようとも、
この『半径5メートルの絶対聖域』だけは今日も極甘で平和な空気に満たされているのだった。
つづく
EDテーマ2

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